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がりらぼ

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アニメ「C」を通してお金について考える

経済

冬休みに入ったので、3週目ぐらいになるアニメ「C - THE MONEY OF SOUL AND POSSIBILITY CONTROL」を見返しました。

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[ C ] OFFICIAL SITE

やっぱり面白いです。

お金をかけたバトル物なうえに技を発動するときの英語音声とかが超かっこいい。

Cのバトルはディールと呼ばれ、買ったら資産が増え、負けたら資産が減ります。
資産が0になると破産ということになり、その人の未来が奪われてしまいます。
人々は未来を担保にして資金を運用し、バトルをする。そんな感じのバトル物として見ることができます。

Cは萌えアニメでもなければお勉強アニメではない

Cの公式サイトにて、制作のお手伝いをされた週刊東洋経済の大坂直樹さんはこう言っておられます。

「C」はお金の仕組みを学べる「お勉強」アニメではない。お金の意味について自分で考えるきっかけになってほしいという願いが込められている。この試みはある程度成功したのではないかと思う。

Cはバトル物としてみたら結構おもしろいですけど決してこころぴょんぴょんしませんし、何も考えずに見て最高のアニメとはいえません。
Cはもともと「お金」について多くの人に考えてもらえるように作られたアニメで、公式サイトでもそう語られています。

というわけでCを見て僕なりに解釈したお金についての考えを書きたいと思います。

※僕はけしてお金に詳しいわけでも、経済学に詳しいわけではありません。非常にいろいろ間違ってるところはあると思いますが個人的メモがてら書き連ねていくため間違った解釈を書いてしまうかもしれません

※以降ネタバレを含みます。まだ見てないよ!って人はブラウザの戻るボタンをどうぞ

金融街とミダス銀行について

アニメでは異次元に行く車によって金融街に行ったり、アセットという召喚獣?のようなものでバトルをしたり非常に非現実的な場として金融街が描かれています。

しかしこの金融街は確かに我々の現実に存在し、

この現実以外にもあんな現実が確かに存在しているということだ

という三國セリフは確かに我々の現実そのものです。

Cで描かれている金融街はズバリ現実世界の株式投資市場や外貨投資など、金融商品が売買される市場のことです。

これはなんとなくアニメを見ていても、ディールが資金運用であるところから見てもわかりやすいです。

次にミダス銀行。ミダス銀行は現実世界でいう民間銀行のことです。
ミダス銀行は主人公などのアントレプレナーに対して未来を担保にして黒いカネを貸します。
アントレプレナーは日本語で「起業家」であり、起業家に対して担保のかわりにカネを貸すのは民間銀行の業務です。

このようにCで描かれている世界は現実世界と対応するように描かれており、そのような解釈で見返すと、また違った見え方がします。

黒いカネについて

ミダス銀行はアントレプレナーに対して未来を担保にして黒いカネを発行します。
金融街で取引される黒いカネは現実世界に流れ出し、人々は黒いカネと現金の違いに気づかないまま使っています。

これはすこし気づきにくいですが我々の現実でいう「預金通貨」だそうです。

「金融街」は地獄の輪転機 アニメ「C」 - ネコでもわかる経済問題・総合

上のサイトを見るとわかりやすいですが預金通貨とは、企業が土地などを担保にして銀行に貸してもらうお金のことです。
または銀行に預金している流動性の高いお金のことを言います。 アニメではこの預金通貨が「黒いカネ」として描写されているわけです。

我々の現実で見ると、企業が貸付してもらう預金通貨も、現実で使う現実通貨も、同じお金としての機能を持つし、ATMなどでいつでも現金と交換できるため我々には区別がつかないわけですね。

ではなぜ預金通貨は「黒いカネ」として扱われるのでしょうか。
現実通貨と同じ価値があるのになぜ区別する必要があるのでしょうか。

その秘密を知るためには銀行の成り立ちから考える必要があります。

銀行のなりたち

はるか昔、ブツブツ交換時代は貝殻や食べ物など、定量的ではなく保存もきかないものどうしが交換され、取り引きが行われていました。

しかし定量的ではなく、保存もきかないのはよろしくないため、金や銀などが交換の手段として利用されるようになりました。

しかし今度は金や銀を保存するには重たいし大きいし難しいため、金や銀を保管する倉庫の業種が誕生しました。
金や銀は一旦預けると、預り証をもらうことができ、預り証を見せればいつでも利息付きで金や銀を引き出すことができるような仕組みで動きました。これが銀行の成り立ちであり、預り証が紙幣の成り立ちとなっています。

そして金銀保管の業務をしている人はさらに儲けようと、預かっている金銀を誰かに貸す事業を考えます。当時市民は、金銀よりも、金銀の預り証のほうが紙なので軽く、持ち運びがしやすいし、定量的であるため預り証を交換の基準としてました。
そのため金銀保管業務は、実際に保管している金銀以上の価値のある預り証を貸したり借りる事によって、更に儲けることができました。

ではこの時点で預り証には金銀相当の価値があるのでしょうか。
実際にある金銀以上の預り証を発行しているため預り証自体は金銀と等価値とはいえません。
しかし、みんながお金と信じているから、預り証は金銀と等価値となるのです。

これは我々の現代社会でも言えます。
今扱われているお金をすべてそれ相応の価値のあるお金以外の物体に交換することができるでしょうか。
おそらくできません。
お金すべてを交換できるほど地球に資源はないのにお金だけがひとり歩きして増えていっている状態です。
だから黒いカネなのです。

信用創造と黒いカネ

アニメでは主人公たちアントレプレナーが未来を担保にして黒いカネを借り、それを運用します。
運用成功すると黒いカネは増え、運用失敗すると担保にしていた未来が奪われます。
その結果自殺したり、何事にもやる気を失ったりしてしまいます。

現実世界でも上記のことは信用創造という形で民間銀行が行っています。
民間銀行が悪というわけではありませんが
新規事業をするために企業が銀行に土地などを担保に融資してもらいます。
そして事業が失敗、もしくは運用が失敗すると担保にしていたものが奪われるわけです。

これはCで描かれている金融街そのものです。
では民間銀行はどのようにして貸付金を作っているのでしょうか。
民間銀行もまた、個人や企業から借り入れをし、その借り入れたお金を他の人に貸し付けているわけです。

このお金は先程の言いましたがすべてお金以外の物体に交換することはできなく、みんなが信頼しているから価値が生まれる「黒いカネ」です。

しかしこの仕組みがないと新規事業はできないし経済も発展しません。現代社会は黒いカネによって支えられているわけです。

この価値があやしい黒いカネに未来をかける程の価値があるのか?Cはそのようなところをアニメで語りかけてくれていると思います。

金融街の現実への影響

アニメでは金融街でのディールの影響が、現実世界へと影響を与えます。
例えば多くの社員を抱える人が運用失敗すると、多くの人が被害を被るわけです。これはアニメでも描写されていてわかりやすいです。

では「C」という現象は何なのでしょうか?アニメでは何かの衝撃波のように描かれています。

我々の現実では「C」という現象はリーマン・ショックが良い例だと思います。
リーマン・ショックは土地の値段がどんどん高騰し、そこに投資した人たちの不良債権が溜まりに溜まって銀行が倒れ、その影響で多くの国の経済に影響が及ぼされたというものでした。

まさに預金通貨という「黒いカネ」をめぐって儲けようとした人たちの影響が我々現実の生活に影響をおよぼしたわけです。

黒いカネは流動性が高く、バブルを作り上げては崩壊を繰り返します。その影響はまるで衝撃波のように関係のない人々の生活に影響を及ぼします。アニメではおそらくこれが「C」として描画されていると思います。

黒いカネのせいで関係のない人々が犠牲になる...おそろしい話ですが現実でも起こっている話です。

アニメの終盤ではヘリコプターから黒いカネをまき散らしてハイパーインフレを起こします。
そして社会は大混乱を起こし、日本円でものが買えなくなる描写がありますね。
黒いカネは信頼で成り立っていますがこんなにも簡単に黒いカネは信頼を崩せてしまうわけですね。

もしこんなことが現実世界でおこったら....アニメではそのようなところを描いています。

お金について考えよう

かつて日本のバブル経済では「財テク」というものが用いられていたそうです。
財テクとは、事業で得た利益以外に、その利益を土地などに投資してさらに利益を得る方法です。
これのおかげで日本のバブル経済はすさまじく成長し、はじけました。

第9回 なぜバブルは生まれ、そしてはじけたのか? (1/3ページ) - 池上彰のやさしい経済学 : 日経Bizアカデミー

しかしこれはどうなのでしょうか。会社の事業ので得た利益でもないのに資金だけが増え、いざバブルがはじけると実際に企業には十分な利益を生み出せるほどのノウハウや技術力、資源がない。
これでは企業としての本質が何も達成できていません。

黒いカネに目がくらんではいけない。本当に大切なのはなにか、ちゃんと考えよう。

Cというアニメはそう語りたかったんだと思います。

また、何度も作中には「可能性の失われた未来しか残らないなら、現在がある意味がない」というセリフが出てきます。
可能性が失われた未来とはなんなのでしょうか。
Cの公式サイトでは大量に発行される日本の赤字国債を例に挙げられています。

日本の赤字国債は前年度の国債を払うためにどんどん発行されていますが、これは今をしのいでるだけで負担が降り注ぐのは国債国債でも払いきれなくなった将来の日本です。
まさに「可能性の失われた未来」なわけです。

しかし三國が言っているように、「それは遠くを見る余裕のある者の理屈だ。弱い者はその日、その日をもっと切実に生きている」という意見ももっともなわけです。

企業や国だけのことではありません。
我々の稼いでいるお金についても作中で言及されています。

「金を稼げ。それを何かのために使え。君が金を使えば誰かを潤す。貯め込んでいれば幸せなのは君だけだ。ささやかな幸せは君を幸せにしても、周りに大きな幸せをふりまくことはできない」

つまり稼いだお金を何にも使わずにただ銀行にためているだけでは本質的に価値の怪しい黒いカネをたくさん保有して満足しているだけで、何も幸せにできない。
そのカネで人を幸せにできるものを買って、周りに幸せをふりまくべきであるということだと思います。
もちろん将来のために貯金をしておくという意味では多少は保持しておく必要がありますが..

黒いカネだけに目がくらまなければ企業はちゃんと企業のノウハウや技術力、資源などをつけ、それによって得た利益を得るだけでバブル経済など発生せず、人々に影響が及ぶこともありませんでした。
確かに黒いカネは現代社会に無くてはならないものとなってしまったため、いまさら取っ払うことなどできませんし、そんなことをすれば人々は生きていけなくなりますが、
沢山の人がお金の本質に気づき、本当に大切なモノはなにかについて気づくことができれば、バブル経済リーマン・ショックなど起きずに、正しく企業や経済が成長し、経済はより良くなるのではないでしょうか。

ということをアニメ「C」は人々に考えさせたかったんじゃないかなーと思います。

長々と書きましたが僕は経済学部出身でもないし経済に特別詳しいわけではありません。あくまで個人的見解と感想ですのでいろいろまちがってると思います。

とにかくCは非常におすすめアニメです。

[ C ] OFFICIAL SITE